恐怖1
ひどく怖かった。 デスクの灯りをつけて、なにか楽しいことを考えようと思ったが、どうしてもできなかった。風がガタガタと窓ガラスを揺らし、遠くで救急車のサイレンの音が聞こえる。ああ誰かが死ぬのを待っているんだな。そう思った。 風がふたたび音をたてた。ああ、なにか伝えたいんだ。近くに墓地があるのを思い出した。 肩に這い上ってくるものがある。小さなクモだった。たたきつぶすと、緑色の体液が手に付着した。それをティッシュでぬぐいながら、ああこれは何かいやなことが起こる前ぶれにちがいないと考えた。