長明の行動力
『方丈記』といえば隠者の文学と呼ばれることも多く、方丈とは四方が一丈であること、作者の鴨長明が僧職であることなどある諦念を描いた作品だろうと思っていた。
ところが、長明という人はすさまじい行動力のある人だった。
『方丈記』は長明が京に帰り着いてからぬ作品である。それまで彼は旅をしていたのだ。どこへ? 鎌倉へだ。京→鎌倉はめったやたらに遠かった。その長旅をできる人であったのだ。
鎌倉で長明は実朝に会っているが、約束していたわけではない。すなわち、京を出るときには目的のないぶらり旅だったのである。
数百キロの道のりを数日かけて歩き、約束もないのに将軍に会いに行く男。
断じて、隠者ではない。
コメント
コメントを投稿