優先席2

 ある日のこと、若い女性がふたり、優先席に腰掛けていた。わたしはその横に座ることになった。まず、この時点で女性にいい感情を抱いていない。

優先席だということを知って座っている、その厚顔無恥と無神経に立腹しているのである。


いるだけで腹が立つのに、会話の内容が聞こえてきたのある。

「わたしのカレシったらさ、」

「結婚するなら絶対こんな人がいい」

恋愛論であった。


耐えがたくて、わたしはカバンからイヤホンを取り出し、大音量で音楽をきいた。

ただ彼女たちの会話がうるさくて、不快だったばかりではない。

彼女たちも結婚するのだ。夫はどんな人で、子供はどうなるのだろう。


明るい展望は抱けなかった。

その重さに、暗澹たる気持ちにならざるを得なかったのである。

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